1936年11月23日、26日、27日の3日間、テキサス州サンアントニオに在るガンター・ホテルの414号室にて、その後のブルースとロックに多大な影響を及ぼすことになる伝説的なレコーディングが行われました。
このレコーディングが後に、‟エリック・クラプトン”や‟キース・リチャーズ”などのギター小僧の心を大いに奮わせることになるのです。
ちなみに23日レコーディングした後、彼は町の警官にボコボコに殴られ、ギターも壊されて刑務所にブチ込まれていました。
理由は放浪罪。 すぐに釈放されたのですが、当時の世相がよく分かります。(今のアメリカもあまり変わってないかも・・。) ちなみに彼の曲に、彼の放浪グセを象徴するような歌で"Rambling on my mind"(直訳すると‟放浪したい俺の気持ち”って感じ)ってのがありますが、この逮捕エピソードがシャレになるような、ならないような。
ま、この曲の歌詞の内容は彼らしく、女絡みで心ここに在らずという状態を歌ったようですが。
また、レコードのジャケットでも有名ですが、彼はこの時のレコーディングで、部屋の端っこに向かってレコーディングしています。
一説には彼がシャイだったから、とか、テクニックを見せたくなかったから、なんてのも有りますが、おそらくそんなはずは無いと思います。
一番有力な説は‟ライ・クーダー”の説で、音響効果を狙ったというものです。
音にうるさい彼ならではの意見で説得力があります。 今や伝説となったこの3日間のこのレコーディングが、その後の音楽を変えるきっかけになるなんて当時の彼は想像もつかなかったことでしょう。
とにかく持前のテクニックでギターを全力でプレイし、感情を吐き出すように全力で歌うしかなかったでしょうから。
レコーディングの後は大好きな酒と優しい女が待っていると思いながら。
バックプリントは、クロスロードのデザインと、彼の曲"ME AND THE DEVIL BLUES"の歌詞の一部がプリントしてあります。
その歌詞には、‟俺の屍をハイウェイ際に埋めていいぜ。そうすりゃ俺の悪霊がグレイハウンド・バスに乗れるから。”と書かれています。 もしかすると毒殺された彼自身の霊魂が悪霊となって、その後次々と27歳で亡くなっていった天才ロックミュージシャン達をグレイハウンドバスに乗せていったのかもしれません。 そんなバスの中はみんな同い年の連中ばかりだし、酔っぱらってラリって歌ってジャムって殴り合ってめちゃくちゃ楽しそうですが。